映像の白飛び黒つぶれの原因はダイナミックレンジの領域を超えてしまっているからです。
ダイナミックレンジを理解しうまく露出をコントロールしできる様になれば白飛び、黒つぶれしない映像が撮れるようになります。
ダイナミックレンジとは?
ダイナミックレンジはカメラが表現できる明るさの範囲のことです。
高性能なカメラのセンサーほど広いダイナミックレンジを有している傾向にあります。
私たちが生活する日常生活において光の強さは大なり小なり変わっており同じ条件で撮影できることは少ないです。昼間は明るく夜が暗いようにです。それは室内においても同じことです。
光が強い場合は白飛びが起きやすく、逆に暗い場合は黒つぶれを起こしやすいです。光の強さはヒストグラムから判断することができます。ヒストグラムについては以前の記事を参照してください。
カメラの高性能かによりダイナミックレンジは格段に広がってきています。それでも私たち人間の目には及びません。
撮影時に撮りたい映像を写真や動画で記録するときに注意すべき点です。いざ後で見返してみれば白飛びや黒つぶれしていてこんなはずではと思っても後の祭り!白飛びや黒つぶれは修正不可能なのです。
メーカー別のダイナミックレンジの特徴
ダイナミックレンジはカメラのイメージセンサー(映像素子)の性能によって決まり、一般的にはフルサイズ機の方がAPS-C機よりダイナミックレンジは広いことが多い傾向にあります。
そして、メーカーによっても違いがあります。
- ニコンはダイナミックレンジが広く黒つぶれしにくい
- Canonは白つぶれしにくいがニコンやSONYほどダイナミックレンジは広くない
- SONYはニコンに次いでダイナミックレンジが広い
カメラやスマホの性能がわかるサイトDxOMark
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極端な明暗さは避ける
ダイナミックレンジは一回の撮影において階調(明るいところから暗いところまで表現できる範囲)を保ったまま撮影できる幅です。
全ての明るさをカバーできるカメラが存在していないので明暗さの激しい場所では白飛び黒つぶれは起きてしまうと思っておきましょう。
例え人間の目ではそこまで明暗さがないように感じていてもカメラにとってはダイナミックレンジを超えるほどの明暗差になることもあります。
その時は、マニュアル操作で露出を調整してあげれば同じ場所、条件であってもダイナミックレンジに収まることもあります。露出調整(シャッタースピード・ISO感度・F値で調節)はカメラで撮影するときの重要なポイントになります。
何度もしつこいですが白飛びと黒つぶれを防ぐにはヒストグラムをみればわかるため撮影時は確認する癖をつけておきましょう。
NDフィルターで明暗差を軽減
明暗差が激しい時は暗いところを明るくするか明るいところを暗くするかのどちらかになります。
そこでNDフィルターを使って明るいところを暗く抑える方法があり、暗いところを明るくするのはライトを使うなど工夫でカバーできることがあります。ちなみにライトを使うのは意外と難しいです。
露出で明暗差を調整することもできますがどうしてもシャッタースピードやF値を変更したくない場合はNDフィルターを使ってみましょう。NDフィルターは簡単に言えばカメラのサングラスです。
ND2、ND4、ND8とNDの後の数字が光量を減らす数値になっています。ND2の場合光量は50%カットつまり半分になります。
HDR(ハイダイナミックレンジ)撮影
ダイナミックレンジを超えるような明暗差がある場合HDR撮影方法があります。
HDRはハイダイナミックレンジと呼び一回の撮影ではカバーできない明暗差の異なった露出(アンダー・ノーマル・オーバー)で複数回に分けて撮影しそれを合成撮影方法です。
ちなみに、一度の撮影で露出の異なった複数の映像を撮影することをブラケット撮影と呼んでいます。
まとめ
- ダイナミックレンジとはカメラが表現できる明るさの範囲
- ダイナミックレンジを超えると白飛び、黒つぶれが起きる
- カメラメーカーによってダイナミックレンジに特徴がある
- ダイナミックレンジを超えないためには明暗差が強い撮影は避ける
- NDフィルターで明暗差を軽減できる
- HDR撮影は異なった露出を合成してダイナミックレンジの幅を増やす撮影方法
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