過去記事では代謝機能と解毒・排泄について書いています。
どちらも大切な知識ですので読んでみてください。
胆汁って何?
胆汁って言葉はご存じの方も多いと思います。
でも成分や役割となると曖昧なまま覚えている人もいませんか?
まず簡単に胆汁について解説します
胆汁の成分
- 胆汁酸
- リン脂質
- コレステロール
- 胆汁色素(ビリルビン)
以上が主な成分です。
それでは上から順番に各成分について解説していきます。
解説はしますが今回の胆汁の解説には重要ではない考えるためざっくりいきます。
飛ばしていただいても大丈夫。
胆汁酸とは
胆汁酸の原料はコレステロールになります。原料とか正直知らなくても大丈夫です。
重要なことは胆汁酸の役割です。
胆汁酸の役割ですが脂肪の乳化です。乳化とは分解しやすいようする分解一歩手前の状態のことです。
ちなみに乳化された脂肪は膵臓のリパーゼにより脂肪酸とグリセリンに分解されます。
ビタミンの吸収にも働きかけます。
リン脂質とは
リン脂質は細胞膜を作る主成分です。
リン脂質の特徴は、疎水性と親水性の両方の性質も持っていることです。
コレステロール
コレステロールには2種類ありましたよね?
LDLコレステロール(悪玉コレステロール)とHDLコレステロール(善玉コレステロール)です。
コレステロールは、脂質異常症や動脈硬化等の病気に関係してきます。
胆汁色素(ビリルビン)
ビリルビンの呼び方の方がよく使われています。
ビリルビンには間接ビリルビンと直接ビリルビンがあります。
間接ビリルビン:赤血球が破壊された後に発生するビリルビン
直接ビリルビン:間接ビリルビンが肝臓で処理され胆汁の成分になるビリルビン
両方を合わせて総ビリルビンと呼びます。
胆汁の役割
胆汁の主な役割は体の中にある不要な物質の排泄です。
ビリルビンなんかが不要な物質にあたります。
そして、脂肪の吸収にも関係してきます。元となる胆汁酸の仕事も引き継いでいるってことです。
ついでに便の色にも関係あります。
胆汁の産生から排泄
医療現場や試験で最も重要なところは排泄までの流れです。
胆汁を実際に作っている臓器は肝臓です。
肝臓で作られた胆汁は総肝菅という管を通り胆嚢と呼ばれる小さな袋に運ばれ濃縮されます。
そして、胆嚢管を通りそ総胆管を通って十二指腸へ流れ出ます。
分かりやすく書くと
- 肝臓で胆汁が作られる
- 作られた胆汁は総肝菅を通り
- 胆嚢へ流れ濃縮される
- 濃縮された胆汁は総胆管を通り
- 十二指腸へ流れ出る
胆汁が通る道のことを胆道と呼びます。
胆汁が十二指腸へ流れ出るには、食べたものが十二指腸に流れてきて来てオッディ括約筋が緩むことで排泄されます。
胆汁が排泄されないと胆汁うっ滞と呼ばれる病気になります。
胆汁の通り道である胆道が閉塞するとどうなる?
胆汁は体の中の不要な物質を排出するという仕事がありましたよね?
つまり、胆道が閉塞すると胆汁が体の中に溜まる=不要な物質が溜まる
ということです。
不要な物質の中にビリルビンが含まれていることは書きました。
このビリルビンが溜まると体が黄色くなる症状、黄疸が出現します。
次第に全身状態も悪化していきます。
黄疸は血清ビリルビン値が2.0mg/dl以上で目視できます(眼球がわかりやすい)
胆汁うっ滞の原因
胆汁うっ滞の原因は主に2つです
肝臓内に原因がある場合
- 急性肝炎
- アルコール性肝疾患
- 肝硬変
肝臓外に原因がある場合
- 胆道のどこかが閉塞する場合
- 膵臓の疾患
胆汁についての解説は以上です。
胆道疾患って意外と遭遇する機会って多いですよ~(科にもよりますが)
基本的な知識があれば看護にも活かせると思います。
胆汁がうっ滞するということは、食べてはいけないということにつながるので、おそらく絶食の指示がDrから出されると思います。
そのとき何でだろう?とならないためにも今日の知識を活かしてみてください。
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
修正や追加など気になる点がございましたらコメント欄にて受け付けておりますので記入の方お願いします。
コメント